親から借金して家や土地を買った場合、どうなるでしょうか?
たとえば、所帯をもった子供がこれまでずっと賃貸マンション暮らしで、一軒家やマンションを購入したくても、数千万もする不動産を子供の貯蓄ではなかなか買えるものではありません。
また、ローンを組むにも、ある程度の貯えがないと、銀行も融資してくれません。
このような場合も、親に資産があれば、それを原資にローンを組むことが可能になります。
こういったマイホームの購入資金として、子が親から借り入れるケースはよくあります。
ただ、こういったケースも安易に「ある時払いの、催促無し」や、「なあなあの関係」で資金を借りた場合は、「借入金」にはならず、「贈与」とみなされ、贈与税がかかることがあります。
「親子間だからいいじゃないか」という発想は、後で、多額の贈与税を支払わなければならなくなることを、理解する必要があります。
そのような関係での借金は、大抵いい加減な口約束や、たとえ親子間で契約書を作成しても、支払は最初の数カ月だけで、後は全く支払われなかったり、口約束だから、最初から支払わないというケースもあります。
こういったケースで、たまたま税務署に発覚されなくても、他に兄弟姉妹がいれば、親が死亡して相続が発生したときに、「特別受益」で申し立てられることも考えられます。
ですから、親から借金する場合は、互いに慎重に話し合った上で、返済方法や返済期間等を詳しく明記した契約書を作成しないといけません。
そして、子供はその契約内容を、忠実に実行しなければなりません。
そうすることで、贈与税は掛かりませんし、他の兄弟姉妹からのクレームも避けられるでしょう。
契約書を作成する場合、下記のことを留意します。
① 返済計画がしっかりしている。
銀行でお金を借りるときは返済計画を求められます。
親子間だからと言って、いい加減な返済計画では、贈与とみなされますので、どのように支払うか明確にします。
② 返済期限があること。
「ある時払いの催促なし」では贈与とみなされますから、いつまでに返済できるか明確にします。
③ 利率が銀行の金利並み、もしくは若干低いこと。
親からの借金だからといって、無利息では他の兄弟姉妹からクレームがくることがあります。
また、銀行で借りるより、かなり安い金利でも同様です。
親子間の貸し借りは「担保」や「信用」が無い分、借り易くなります。
ですから、そのぶん銀行と同等もしくは、若干低い金利を支払います。
④ 返済額が子の収入範囲であること。
たとえば、子供が30万円の収入で、毎月の返済が15万円では数カ月で支払が滞ります。
そうすると、契約自体無効となる可能性があります。
そうならない為にも、子供が支払える額にする必要があります。
⑤ 返済は毎月一定日にする。
返済が月初めだったり、月末ではそのうちに返済が滞る可能性があります。
そうならない為にも、毎月決めた日に返済金を振り込まないといけません。
⑥ 返済する口座は親が普段利用している口座にすること。
返済用に新たに口座を作ったり、子供が勝手に親名義の口座を作って自分で管理しているようでは現実に返済されてないと勘案されます。
ですから、親が普段使っている口座に振り込むことで、実際に返済されていることが確認できます。
⑦ もし、税務署等からの「お尋ね」を考慮して、振込の控え等を保管しておく。
不動産は高価な買い物です。
ですから、税務署は日々登記簿をチェックして、所有者の資産内容を確認しています。
収入が少ないのに、不相応な不動産を購入すると、「お尋ね」が送付されることがあります。
この「お尋ね」がきても、返済の事実が確認できれば問題はありません。
その為にも、親に返済している事実を証明するためにも、振り込みの控え等証拠になる書類を普段から保管しておきます。
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