架空請求に関する手口は年々悪質化・巧妙化していますが、公証人役場の確定日付を受けた書面で、あたかも公的な拘束力を得たような書類を作成してお金を要求する、架空請求があります。
こういった請求書は、
1.配達記録郵便で送り、
2.封筒または書面に「公証人役場において認証を受けた公的な債権証書です。」と書かれ、
3.書面にも「催告通知」と書かれており、
4.公証人役場の印が押されています。
よくある事案としては、過去に何度か出会い系サイトを利用した人に突然請求書を送り、当人も罪悪感や羞恥心から支払ってしまったケースです。
請求額も高額ではなく、自分でもなんとか支払える金額(3万円~7万円前後)だから、言われるがままに支払ってしまいます。
特に未成年や親と同居している場合は、親に知られるのが怖くて、なけなしの貯金をはたいて支払うケースがあります。
しかし、こういったケースは1回だけの請求で終わることは少なく、一度支払うと継続して請求書が送られてくることが少なくありません。
請求書を受け取った当人が過去に出会い系サイトを利用したことがなければ、こういった請求書は一切無視しても何ら問題が発生しませんが、一度でも利用したことがある人なら「もしかしたら有料サイトだったのでは?」と自問自答しますが、時間の経過と共に、サイト名や有料・無料の有無さえ分からなくなっています。
特に気の弱い人にこういった請求書が届くと、いてもたってもいられなくなります。
話を戻して、公証人役場の確定日付を利用した詐欺ですが、公証人役場の取り扱い業務には、
1. 公正証書の作成
2. 私署証明書の認証
3. 確定日付の付与
等があります。
確定日付詐欺は 3.の「確定日付の付与」を悪質利用したものです。
請求書を作成し、それを公証人役場に持って行き確定日付の付与を求めると、公証人は「当該請求書が、その日付の日に存在したという証明」をしてくれます。
それが確定日付です。
しかし確定日付はあくまで、請求書の日付を証明しただけで、請求内容まで証明していません。
ですから、日付の証明以外、なんら法的効力は発生していません。
行政書士なら普段から公証人役場を利用していますので、こういった請求書が送られてきたら、見るまでもなくゴミ箱行きですが、公証人役場を利用したことがない人にとっては「なんか裁判所みたいなところから請求書が届いたので支払わなければならない。」と考える人もたくさんいるのではないでしょうか。
架空請求業者はそういった善良な市民をだましてお金を請求しますから、知らないところから請求書が届いたら、注意するする必要があります。
増して一度支払うと架空請求業者は「支払者リスト」を作り、そのリストを業者間で使いまわし、次々と請求書が届くことになります。
もし利用したことが無いのなら、無視をすることです。
また、送られてきたら、以下の点に注意して下さい。
1.利用してなければ支払わない
一度支払うと、次々と請求される可能性があります。
2.業者に個人情報を教えない
請求書が送られてくるということは、あなたの住所・氏名が知られているので、送られていても自分から電話して名前を名乗ったり、住所・電話番号を教えない。
3.証拠を保管する
送られてきた書類は今後の業者の出方を見極める必要があるので、捨てずに保管しておく。
4.消費者センターに相談する
請求内容が分からない場合や、不明な点があれば、消費者センターに相談する。
5.警察に相談・届け出する
根拠のない悪質な取り立ては、警察に相談・届けておく
特殊詐欺もそうですが、架空請求業者は、手を変え品を変え次々と新しい「詐欺」を考え善良な市民をだまそうと虎視眈々としています。
こういった詐欺にだまされないためにも、普段から新聞やテレビニュースで事件記事をチェックしたり、信頼できる人に相談できる環境を作る必要があります。
それが難しいなら、怪しい請求があったら、消費者センターや警察に相談することも一案です。
お問合せ・ご相談は、お電話又はお問い合わせフォームにて受け付けております。
メールでのお問合せは24時間受け付けておりますので、まずご連絡ください。
業務時間:10:00~19:00
定休日:土曜・日曜・祝日
但し、お忙しいお客様には上記曜日・時間以外の予約が可能です。
ご希望の方は電話・メールでその旨をお伝えください。