クーリングオフできる取引
訪問販売
セールスマンが一般家庭などに出向いて商品を販売する取引で、新聞の購読から化粧品、住宅設備・リフォーム・シロアリ駆除や、宝飾品など、比較的高額な商品の販売が多いです。
このときセールスマンと消費者が一対一で話し合うことになるので、契約を得るために商品の価値を大げさに表現したり、嘘を語ったりして契約を取ったり、嘘がなくてもセールストークに乗せられ、不必要な商品や、通常より高額な価格で契約するケースがあります。
その為、原則契約書を受け取ってから8日以内であれば、無条件でクーリングオフが適用されます。
電話勧誘
事業者が消費者に電話をかけて勧誘を行い、その電話の中で消費者からの申込み(または契約の締結)を受けた場合だけでなく、電話をいったん切った後に消費者が郵便、電話等によって申込みした場合でも、電話勧誘によって消費者の購入意思の決定が行われた場合には、「電話勧誘販売」に該当しますので、契約書を受け取ってから8日以内であれば、無条件でクーリングオフできます。
また、事業者が欺瞞的な方法(騙す方法)で、消費者に電話をかけさせて勧誘した場合も該当します。
特定継続的役務提供
美容エステや語学教室は、短期間に効果が出るとは限りません。
また、金額も高額になるので、やはり自分には合わないと考えることがあります。
そこで、特定商取引に関する法律 第48条により、下記のサービスについては契約書面受領後8日以内であれば無条件でクーリングオフできます。
特定継続的役務 | 期間 | 金額 |
---|---|---|
エステティックサロン | 1カ月を超えるもの | いずれも5万円を超えるもの |
語学教室 | 2カ月を超えるもの | |
家庭教師(通信指導等含む) | 2カ月を超えるもの | |
学習塾 | 2カ月を超えるもの | |
パソコン教室 | 2カ月を超えるもの | |
結婚相手紹介サービス | 2カ月を超えるもの |
業務提供誘引販売取引
業務提供誘引販売取引とは、「特定商取引に関する法律」第58条で定義される、以下のような条件を全て満たす取引で、契約書を受け取ってから20日以内であれば、クーリングオフできます。
① 業者が販売する広義の商品又は提供する役務を利用する業務により、顧客に対して利益(業務提供利益)が得られるとして誘引・勧誘する。但し、この業務は業者が自ら提供する業務、又は業者が斡旋した業務に限られます。
② 契約者に金銭的負担(特定負担)がある。
③ 広義の商品の販売もしくはその斡旋、または役務もしくはその斡旋に係る取引
「広義の取引」とは、物品の他、施設利用権、役務の提供を受ける権利もいいます。
例)
① 民間資格講座を受講して資格を取得すれば、業者がその資格に該当する業務を斡旋する。
② 業者から美容機器を購入してモニター会員になり、同機器に関するアンケートを回答すると、モニター料が支払われる。
③ 名簿を購入して、ダイレクトメール(DM)の宛名記入し、DMから商品を購入すると業者から手数料が支払われる。
連鎖販売取引(マルチ商法)
連鎖販売取引とは、特定商取引法第33条で定義される販売形態のことで、以下のような条件を全て満たす販売取引が連鎖販売取引とされます。
物品の販売(または役務の提供等)の事業であって、
再販売、受託販売もしくは販売の斡旋(または役務の提供もしくはその斡旋)をする者を、特定利益(紹介料や販売マージン、ボーナス等)が得られると誘引し、特定負担(入会金、商品購入費、研修費等の名目で、何らかの金銭的な負担)を伴う取引をするものをいいます。
商品流通においては代理店、問屋という形をとる場合のような広告して、商品を在庫するというそれぞれの役割が分離されているものと異なり、それぞれのポジションがまったく同じ、または商品の広告と販売と同じポジションになるべく人を勧誘することができることで、多段階式に連鎖していくことから名づけられます。
また、ピラミッド型の組織となり、ピラミッドの頂点の上位から裾野が広がるディストリビュータ(販売員、販売代理店、販社)組織が形成されていくシステムで、全ての人が連鎖販売企業とつながっており、情報の取得や商品の購入が出来るシステムです。
別途法律で禁止されているねずみ講と似ているところがあるので、慎重に契約する必要があります。
契約書面受領日から20日間ならクーリングオフできますが、商品再販売の場合は、契約書面受領日か、最初の商品受領日の遅い方から20日間となります。
訪問購入
訪問購入とは最近増加している、「押し買い」と言われる悪質商法の一つです。
訪問販売の逆で、購入業者が消費者宅へ押しかけて上がり、消費者の宝石や骨董品などを強引に買い取る商法です。
ドアを開けたら業者がいきなり玄関に入り、断っても相場より低い金額のお金を置いて強引に商品を持って行きます。
特に貴金属や宝飾品などの被害が多くなっています。業者は安く買って、高く売ることを目的としています。
買い取って行った業者の住所や連絡先などがわからず、トラブルに発展するケースが増えています。
訪問購入も特定商取引により規制されていますので、契約書を受け取ってから8日間はクーリングオフ可能です。
クーリングオフ制度を利用し、クーリングオフした場合の消費者は、違約金や損害賠償などを一切支払う必要はありません。
購入した業者は商品を返還し、消費者は受け取った代金を返金しなければなりません。その代金を返金する費用(振込手数料など)は相手の業者負担となります。
因みに、訪問購入の規制の対象にならないものは以下のものです。
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