近年日本の国際化と共に、国際結婚も増加してきました。
日本では民法により、男女共に18歳以上と決められていますが、外国によって婚姻年齢条件が違っています。
たとえば、
中国 男 22歳以上 女 20歳以上
韓国 男女とも 18歳以上
フィリピン 男女とも18歳以上
タイ 男女とも17歳以上
というように、各国によって結婚年齢条件がそれぞれ異なっていますので、若くして結婚する場合は、注意が必要です。
国際結婚の方法は日本でするか、外国でするかは双方の自由ですが、日本で結婚する場合は、日本の方式による婚姻手続が必要です。
また、外国で結婚する場合は、その国の宗教、文化、慣習により、さまざまな方式があり、宗教婚はカトリック系やイスラム諸国が多く、民事婚は、日本のように役所などに結婚の事実や登録告示をしたり、役所等で儀式を行う儀式婚などがあります。
要するに、国際結婚するには、相手国の結婚に関する法律を確認することから、始める必要があります。
そして、国際結婚といえども、国同士の法律関係は国際私法が関係します。
日本では外国との私人間の法律関係を定めた「法例」という法律があります。
法例では国際結婚に関する条文は、以下の通りです。
第13条 「結婚成立の準拠法」
① 結婚の成立要件は、各当事者の本国法の規定に従って定める。
② 結婚の方式は、結婚を挙げた場所の法律による。
③ 当事者の一方の本国法による方式は、前項の規定にかかわらず、有効である。しかし日本で結婚を挙げた場合で当事者の一方が日本人であるときは、日本の法律の規定に従わねばならない。
第14条 「結婚の効力」
結婚の効力は、夫婦の本国法が同じ場合はその法律を、その法律が異なる場合は、夫婦がいつも生活している場所が同じときはそこの法律を、前項いずれの法律がない場合は、夫婦に最も生活関係が密接な場所の法律を適用する。
ですから、国際結婚を考えていらっしゃる方は、法例に則った手続をする必要があります。
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日本人の国際化が深まり、ここ20年程前から外国人の国際結婚が急増し始めて、今では100組に9組が外国人との結婚に至っています。
当事務所にも、毎週多くの方が外国人との結婚の件で相談に来られますが、下記のような結婚動機が多いです。
1. 日本に住んでいる又は働いている外国人と交際し、結婚を考えるようになった。
2. 外国に住んでいたときに交際していた外国人と結婚をしたい。
3. これまで(日本人)と交際したが結婚に至らなくて、外国人と結婚したい。
4. とにかく結婚したい。
1.や 2.は、外国人の恋人とある程度の交際期間があり、お互いのことをそれなりに知っているため、結婚しても婚姻の継続性が考えられます。
問題は、3.と 4.です。
3.は男性に多く、女性とを知り合う機会が少なく、また付き合い始めても、交際が長続きしなくて分かれてしまった。しかし、結婚願望が強いので日本人がだめなら、外国人でも良いから結婚したいという方です。
4.は結婚願望がより強くなり、結婚できるのであれば国籍は問わないという方です。
ふつう、男女が知り合って結婚まで至る過程は、
1. 友人の紹介や、サークルなどで知り合う
2. 会話をして感じがよく、親近感がわく
3. お互いに恋愛感情がわき、恋人として交際する
4. 2~3年、又は4~5年の交際期間を経て、結婚を意識する
5. 結婚する
通常、日本人同士なら、こういった過程を経て、結婚するものです。
中には5年~10年交際しても、別れてしまうカップルも多いです。
しかし、外国人との結婚に関しては知り合って数ヶ月、中にはブローカーを通じてお見合いした翌日に結婚手続をする人もいます。
このような状況でどうやって結婚生活を送れるのでしょうか?
日本人同士でも意思疎通ができない場合があるのに、言葉が分からない外国人とどうやってコミュニケーションができるのでしょうか?
離婚原因の1位は、「性格の不一致です」
自分の血を分けた親兄弟でもけんかや仲違いするのに、他人同士が一つ屋根の下で共同生活して、性格が合致すること自体難しいでしょう。
夫婦は所詮他人との共同生活ですから、家族構成、生活環境、学歴、所得等が違う相手と結婚すると、お互いに「相手を尊重」しないと、結婚生活を継続することは難しいです。
相手を尊重するといことは、コミュニケーションが必要不可欠です。
外国人と結婚してもお互いの共通言語を完璧に操れるなら、相手を尊重することは可能ですが、中途半端な語学レベルでは、意思疎通が困難で、お互いに疑心暗鬼におちいることがあります。
また、日本人の美徳といわれる、「以心伝心」は、外国人には理解できません。
説明しても、理解すら得られないと思います。
東日本大震災で町が壊滅状態になったのに、暴徒や店の略奪行為などなかったのは、日本人の道徳心や、良心などがそういった状況の中でも自然とはたらいた為ですが、多くの外国のマスコミは驚愕しました。
以心伝心が理解できない外国人と結婚を考えている方は、まず、自分の意思を伝えられるよう、十分なコミュニケーションをとる必要があります。
ある、英語圏の外国人と結婚した日本人は、TOEFLで満点を取って英語学校で講師をしていて、普段は配偶者と英語で会話しますが、その人でも、たまに「英語で会話して、英語で考えるのに、疲れることがある。」と言ってました。
日本人夫婦でも、たまに夫が妻の近所や世間のうわさ話を聞くことに辟易してしまうことがありますね。
共通言語を完璧に理解できない日本人と外国人の夫婦なら、尚更コミュニケーション障害が発生し、結婚当初なら未だ知らず、半年、1年と経過すると、フラストレーションが爆発し、離婚に発展することになります。
今後配偶者が日本で生活するのであれば、日本語または英語を、共通言語にしてコミュニケーションをとる必要があります。
また、日本で永住するつもりなら、外国人配偶者は日本語を学習したほうが良いでしょう。
そして、日本の歴史、文化、習慣なども同時に学習すべきです。
特に日本の文化や習慣は、他の国にないすばらしいものであるので、是非学習すべきです。
国際結婚にコミュニケーションは必要不可欠です。
外国人と結婚を真剣に考えているなら、相手とのコミュニケーションを理解すると共に尊重(おもいやり)する必要があります。
それができなかったり、結婚したいが為に外国人を選ぶのなら、結婚できても、必ず破綻します。
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