離婚により財産分与や慰謝料を受け取った場合は、贈与によって取得したことに該当しませんから、贈与税や一時所得として所得税は課せられません。
しかし、その分与にかかる財産の額が結婚期間中に夫婦の協力によって得た財産で、取得した分与が過当である場合は、贈与によって取得した財産と見做される可能性があります。
同様に、分与する側も譲渡する資産が取得価格より高額になっている場合は、増額分に対して譲渡所得税が課せられる可能性があります。
結婚期間中の夫婦の財産はテレビ、ビデオといった電化製品やソファー、ダイニングテーブルといった家財道具から、預貯金、自動車、不動産に至るまで、様々なものがあります。
このような財産のうち、財産分与の対象となるものは、結婚後にお互いの協力で築いた財産をいいます。
因って、結婚時に実家から持参した家具や自動車や相続や贈与によって取得した不動産などは、共有財産にはなりません。
財産分与の対象になる財産
① 現金・預貯金
② 有価証券・投資信託
③ 不動産(土地・家屋)
④ 動産(自動車・バイク・家財道具等)
⑤ 骨董品・美術品
⑥ 会員権(ゴルフ会員権・レジャークラブの会員権等)
⑦ 生命保険金(受取人が夫婦どちらであっても、離婚前に満期が来ている場合)
⑧ 退職金・退職年金(既に支給が開始されているか、離婚後2~3年以内に支給が確定している場合)
⑨ 債務(借金) 夫婦が共同生活する上で生じた債務(借金)
夫がローンで購入した自動車などの支払い残金も共同の債務になります。
財産分与の対象にならない財産
① 日常生活の範囲内で、夫婦の一方が単独で使用するもの(洋服、アクセサリー等)
② 親から相続した財産・贈与を受けた財産
③ 結婚時に自宅から貰った財産
④ 結婚前から所有していた個々の財産
、離婚して財産分与として住宅ローン付き不動産を受け取る場合に注意すべきことは、離婚した配偶者がローン完済まで支払い続けてくれるかが問題になります。
ローン債権者銀行(住宅ローンを支払う銀行)は、不動産の名義変更をローン債務の期限の利益(期限までに弁済を猶予されるという利益)損失事由とする約款を定めているのが一般的ですから、その約款がある場合は、抵当不動産を財産分与で譲渡して所有権の移転登記をして、かつ、ローン残額の一括返済を避けるには事前に銀行の承諾を受ける必要があります。
しかし、離婚で財産分与を受ける当事者に支払い能力があるケースは少なく、銀行は承諾しないことが多いです。
そこで公正証書を作成する場合は、夫から妻への不動産の所有権移転登記は、債務完済後にすることとして、離婚時に仮登記しておくのが一案です。
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