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相続時精算課税制度について

相続時精算課税制度とは

相続時精算課税制度とは、相続税と贈与税を一体化して、清算する制度です。

贈与の合計が2500万円以内であれば、贈与税を1円も払う必要がりません。

但し、2500万円を超えた場合は、超えた額に対して一律20%の税金を仮納付することになります。

 しかも、この2500万円は現金でも不動産でも株式でも良く、財産を与える人が持っている財産を、あげることができます。

 

また、両親の一方からの贈与ではなく、父親・母親の両方からからも贈与を受けることができ、両親から贈与を受けた場合、最大5000万円まで贈与税を支払わないで贈与されることが可能です。

 

そして、親から生前贈与を受けた上で、実際の相続が発生した時に生前贈与分と相続によって取得した財産を合算して、相続税額を算出します。

 そこから、納税額から既に2500万円以上の贈与を受けて仮納付した額を相殺して、納付すべき相続税額を確定します。

 

つまり、事前に仮納付している相続時精算課税制度の20%贈与税額は、実際の相続税額から総裁されるので二重課税の心配はありません。

 

ですから、相続税の課税価額が仮納付した額を下回るようなケースでは差額が「還付」されます。

  

この「相続時精算課税制度」の利点は、通常なら2500万円の贈与を受けると相当の贈与税を支払わなければならないのが、この制度を利用することで重い贈与税を払うことなく、事前に親の財産を子供に与え、子供はその財産を活用することができます。

 特に家の購入・建築費用には非常に有効な活用法です。

相続時精算課税制度の仕組み

贈与税の課税制度には、「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」の二種類があります。
 
「暦年課税制度」とは、毎年11日から1231日までに贈与された財産の合計額に応じて課税される制度のことです。

ただし1人当たり年間110万円の基礎控除額があるため、贈与を受けた金額が110万円以下なら、贈与税の申告は不要です。
 
「相続時精算課税制度」とは、贈与を受ける人(子や孫)が、2500万円まで贈与税を納めずに贈与を受けることができる制度です。
 そして贈与をする人(親や祖父母等)が亡くなったときに、その贈与をする人から受けた贈与財産を相続財産に加算して、相続税の計算をする必要があります。

 

初めて相続時精算課税制度を利用する場合は、贈与を受けた人が贈与税の申告期間内に書類の提出をすることが必要です。

相続時精算課税制度を受ける為の条件

 相続時精算課税制度は、誰でも受けることはできません。

 この制度を適用できるかは、以下の条件をクリアーをしなければなりません。

 

  贈与者は贈与する年の11日おいて、65歳以上であること

 

 ② 受贈者は、その11日において、20歳以上で贈与者の子供(養子可)であること

   但し,子供が亡くなっている場合は、20歳以上の孫でも良い(これを代襲相続人といいます)

  

③    贈与の翌年の贈与税申告期間内の「相続時精算課税選択届出書」を贈与税の申告書に添付して提出する

 

のように、活用の仕方によっては、今ある財産を有効に活用したり、節税することも可能です

相続時精算課税制度の問題点

相続時精算課税制度は、全てが良いわけではなく、問題点もあります。

 

それは、相続に加算される贈与財産の評価額は相続時ではなく、贈与された日が基準であることです。

 

たとえば、家を建てる為の土地を贈与された場合は、その後贈与語土地の評価額が上がっても、贈与日の評価額で計算されますから、支払う相続税を低く抑えることができます。

 反対に有価証券(株式)を贈与されても売却せずに持ち続けていて、相続時には株価が下落した場合でも、贈与された日の株価で計算されますから、その後値下がりは考慮されません。

  

更に、一度「相続時精算課税制度」を選択すると、贈与者が亡くなるまで継続して適用されますから、途中で「暦年課税」に変更することはできませんから、将来を考えた上で選択しないと、後で後悔する場合があります。

相続時精算課税制度で注意すべきこと

相続時精算課税制度で注意すべきことは以下のとおりです。

 

   暦年課税制度には戻れない

相続時精算課税制度を選択した場合は、暦年課税制度に戻ることができません。
 

  110万円を超えた場合、贈与税申告が必要になる

贈与財産の額が110万円を超えた場合は贈与税申告が必要となり、超えた部分は相続開始前の期間に関係なく、必ず相続財産に加算する必要があります。
 

  小規模宅地等の特例が使えない

相続時精算課税制度を選択して土地などを贈与した場合は、小規模宅地等の特例が使えなくなります。

小規模宅地等の特例が相続時に使えなくなると相続税が高額になる可能性があるので、注意が必要です。
 

新しい相続時精算課税制度は従来の制度に比べて利用しやすくなっており、税負担の分散や財産の円滑な移転を可能にするメリットがあります。
 
しかし小規模宅地等の特例が使えなくなるなど注意すべき点も多いため、制度を利用する際には事前に専門家と相談しながら計画を立てることが重要です。

これにより、円滑な相続手続きと次世代へのスムーズな財産移転を実現できるでしょう。

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