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養育費の支払い

養育費の支払い額

 

少し古いデーターですが、平成22年の司法統計年報によると、子供が一人の場合の毎月支払う養育費は4万円以下が45%で、次いで6万円以下が20%、2万円以下が18%で、約8割が6万円以下となります。

子供が二人の場合は4万円以下が最も多く34%で、次いで6万円以下が26%、8万円以下が11%と続きます。

上記金額が多いか少ないかは、それぞれの生活状況によって違いますが、予想より少ないと思う方も多いと思います。

それでも毎月滞りなく払ってもらえれば良いですが、支払うのは数か月だけで、後は催促しても支払わないケースも多いです。

 

子供の養育費は慰謝料と違い、別れたとはいえ、自分の子供を育てる為の費用を懈怠するとは、親の責任を放棄していることと同じです。

 

養育費を確実に支払って貰うには、公正証書で「執行認諾文言」を入れる必要があります。

養育費の支払い

 

自分の子供である限り、たとえ妻と離婚しても子の養育費を支払う義務があります。

親権や監護権が無くても同様です。

一番手っ取り早いのが、離婚前に「公正証書」で「強制執行認諾文言」を入れることですが、出来ない場合は、相手方の住所地にある家庭裁判所へ「調停」の申し立てをします。

調停がまとまれば「調停調書」を作作成しますが、調停不成立になれば裁判所の「審判書」が作成されます。

 

養育費の支払いは通常20歳までのケースが多いですが、年齢を定めず「大学を卒業するまで」と決めることもあります。

 

養育費は子供の為に使われるのですから、毎月一定額を受け取ることが望ましいですが、高校や大学に入学するときや、学校の行事(修学旅行)等に多額な費用が必要になることもあります。

特に支払う側からしても、支払当初より、支払中期や後期になる程、支払に負担が掛かるので、一番良いのは他から借金してでも、離婚時にある程度の金額をまとめて支払って貰うのが望ましいです。

 

具体的な養育費の決め方として、

① 養育費の支払い金額(月額)

② 支払期間(20歳になるまで・大学を卒業するまで)

③ 支払方法(全額一括払い・一時金払い・毎月末日払い)

④ 高校・大学に入学する際の入学金・授業料はどうするか

 公正証書に養育費の支払いを記載する(強制執行認諾文言を入れる)

養育費の変更

 

協議離婚で養育を決めて、当初は毎月滞りなく支払われていたのが、時の経過と共に支払いが滞ったり、支払日が遅れたりすることが結構あります。

それでも支払い続けてくれれば多少の我慢もできますが、そのうち支払すら無くなることもあります。

 

もし相手方が本当に支払いに困っているならば、支払の猶予を与えることもできますが、中には再婚して新しい妻と子供の生活に追われる生活を送っていて、前妻や実子に目が向かないケースがあります。

 

養育費の変更は可能か?

勤めていた会社の倒産による失業や、突然の事故や病気での長期入院、物価の急激な上昇等、養育費を取り決めた当時と予想できなかった個人的・社会的事情の変化が起こった場合は、一旦取り決めた養育費の変更することが出来ます。

反対に支払う側の失業や病気、新しい家族の経済的な負担で生活が苦しくなった場合は、養育費減額されることがあります。

 

これらの場合は互いに合意があれば問題ありませんが、話し合いでまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立て、それでもまとまらなければ審判の申し立てをします。

 

子供が小さい頃に離婚した場合は、その子が将来どのような道を進むか分からいケースが殆どですから、養育費も安く済みますが、最近は小学校から塾や習い事に通う子供が多くなっていますから、その時点で結構な費用が掛かります。

また、中学校、高校、大学を全て私立学校だと、授業料以外の費用も相当な額になります。

 

離婚時に安易に養育費を決めると、5年後、10年後に多額な支払いが発生する可能性があるので、離婚協議書を作成する場合は、子供の将来を見据えて養育費を決める必要があります。

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