契約とは「契約自由の原則」により、どのような契約をするかはお互いに同意することにより、自由に結ぶことができます。
しかし、何でも契約できるわけではなく、法律に反する内容や、公序良俗に反する契約は無効になります。
また契約は「口約束」も契約として成立しますので、契約書といった書類で残す必要はありませんが、後に言った・言わないの問題が発生します。
そういった問題を回避するために書面に契約した内容を記入する必要があります。
その為に契約書を作るのです。
契約書を作ることで、もしトラブルになっても契約内容を確認することで、契約内容の履行を求めることが出来ますし、もし履行しなければ裁判所で判断を求めることができます。
ふだん付き合いがある人だからといって、口約束だけの安易な契約をすると、都合の悪い方が後で言った・言わないの主張をして、仲違いしてしまうこともあり得ます。
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契約書とは契約を締結するときに、その契約内容を文章化することです。
そして、その内容について当事者同士が承諾のために署名・押印します。
もちろん、なんでもかんでも契約書を作成する必要は無く、口頭による合意(口約束)も契約として成立しますが、不動産売買契約、賃貸借契約、金銭消費貸借契約などは、後日の紛争防止にならないように、契約書は必要です。
契約書の表題は合意書・協議書・覚書等と書いても問題ありません。
「署名」とは自筆のサイン(自署)を言い、「記名」とはゴム印や印刷を使用する方法ですが、記名と一緒に押印があるとき(記名押印)は、真正文書として署名と同じ扱いを受けます。
「印鑑」は、一般的には認印として押す場合は多いですが、重要な契約書に押印する場合は、後日の紛争にならない為にも、実印や代表者印(会社の場合)を使用すべきです。
「訂正印」とは、契約書に記載された文字を訂正・加除変更したときに押す印のことで、訂正箇所の欄外に「何字加入」、「何字訂正」、「何字削除」と記入・押印し、訂正前の文が読めるように線を引いて訂正します。
「捨印」とは、あらかじめ文章の欄外に後で訂正する場合を予測して、訂正印として使用できるように押印します。しかし、悪用される危険性があるので、よほど信頼できる相手以外には押印すべきではありません。
「契印」とは、契約書は2枚以上になる場合に、それらが一つの文章であり且つその順序で綴られていることを証明する為に、両頁にまたがって押印します。
しかし、契約書として一体性をなし、袋とじされている場合は、綴り目に契印を押せば足ります。
「とめ印」とは最後の文章に押すことで、これ以上書かれていないことを証するときに使用します。契約者がお互いの契約書を所有する場合は必要ありませんが、領収書や預かり書など一方が所有するときに改ざんされないよう押印します。
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契約書には契約自由の原則から、法律上の書式はありませんから、自由に契約書を作成することができます。
しかし、違法な契約や公序良俗に反する契約は、当然無効になります。
たとえば、お金の貸し借りに利息をつけることができますが、利息には法律上で定められた利息上限を超えたものは無効で、刑事罰を科せられることもあります。
また、自分に有利な内容を記載した契約書も、法的に認められない場合があります。
たとえば、若い夫婦が住んでいるマンションの賃貸借契約に「子供が産まれたら、住人に迷惑が掛かるので即退去する。」と書かれていても、若い夫婦が一緒に住んでいれば当然子供が生まれることが考えられるので、すぐには契約は解除できません。
人身売買契約や愛人契約も勿論無効です。
表題には何の契約書かが分かるように、契約の内容のテーマを入れます。
会社と就労契約する場合は、「雇用契約」と明記したり、物品の売買契約はその商品の「売買契約」と書き入れます。
さらに、契約書には
① 契約内容
② 契約締結日
③ 契約内容の履行日
④ 契約書の作成枚数
⑤ 誰との契約かを確認
⑥ 解約について明記されているか
⑦ 賠償責任はどうなっているか
⑧ トラブルになった場合の処理について
⑨ 利息を払う場合の金利
これらをしっかり確認して契約書に署名・捺印します。
売買契約の注意点
売買契約は、売主と買主が対等の立場で締結し、一度契約書を作成すると、その取引は契約書の記載内容に従って進められ、将来、紛争が生じたときも違法な契約でない限り、原則、契約書に基づいて処理されますから、取引の際には内容を十分確認してから契約を結ぶ必要があります。
買主が買主の都合で契約を解除したい場合は、売主に支払った手付金を放棄することによって解除することが可能となります。
売主が売主の都合で契約を解除する場合は、買主から受領した手付金を返還すると共に、それと同額を買主にペナルティとして支払います。
これを手付け解除といいます。
融資利用の特約とは、「住宅ローンが通らなければ白紙解除に出来る。」という特約です。このような特約をつけていないと、もし住宅ローンが通らなかった場合、違反金を支払うことになるので、ローンで不動産を購入する場合は、契約書に必ず明記する必要があります。
契約書は個人でも作成できますが、不備があれば後で思わぬトラブルが発生しますので、細心の注意が必要です。
法律に関する事項を記載する場合は、法律の正しい解釈が必要ですので、書類作成の専門家である、行政書士に相談・依頼することをお勧めします。
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1. 契約内容を記載する
その取引に関する必要事項を、漏れなく記載する必要があります。
契約書の表題、当事者の名称、売買契約であれば売買の目的物、代金額、目的物の引渡場所、代金の支払方法など必要事項が漏れなく記載されていなければ、将来の争いの種を残すことになります。
ただ、一方に都合が良いように記載すると、相手方が不利になり契約が成立できません。
2.必要事項の明確化
契約者にとって大切な部分を、明確に記載する必要があります。
売買契約であれば、何を売るのか、代金はいくらで、いつまでにどのような方法で支払うのか、経費は誰が負担するかなどを、明確に記載します。
3.法律との整合性
契約条項が、法律や公序良俗に反するときは、その契約条項は無効となり、契約書に記載しても意味がありません。
4.互いのメリットを考える
相手の立場を考えないで、自分の利益だけを強調する契約内容では、締結できません。
互いにWIN・WINの関係を作ることが大切で、契約書の作成に当たっても、相手方とのバランスに配慮することが必要です。
たとえば、ある項目が自分にとって不利であっても、別の項目でメリットがあれば互いにWINWINの関係になれます。
尚、民法、商法等の法律に反する内容の事項を記載した内容は、最悪の場合、契約自体無効になる可能性がありますので、契約書を作成するときは、専門家に相談しながら作成する方が、後日の紛争を避けることができます。
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売買契約書などを作成した場合は、印紙税(印紙税法2条)が課せられます。
印紙税が課せられる文書を「課税文書」といいます。
印紙税は課税文書を作成した人が、該当する金額の収入印紙を契約書に貼付して、印紙に割印を押します。
これを「消印」といいます。
尚、収入印紙は原本の数だけ必要になりますので、注意が必要です。
収入印紙はどこでも買えるものではなく、郵便局や郵便切手販売所などで購入できます。
よく契約締結時に印紙代がもったいないから、印紙を貼らずに契約する人もいますが、後日印紙が貼っていないことや、貼付金額が不足していることが発覚した場合には、
納付しなかった印紙税の額 + その2倍の金額が、過怠税として徴収されます。
ただし、自らが誤りに気づいて(錯誤)税務署に自己申告した場合は、
納付しなかった印紙税の額 + その10%の金額 の過怠税として徴収で済みます。(印紙税法2条2項)
また、偽りその他不正な行為により印紙税を免れた者は、
1年以下の懲役若しくは20万円以下の罰金又はこれを併科(印紙税法22条)されます。
印紙税の例
不動産売買契約
1000万円以上5000万円以下 20,000円 (15,000円=1通又は1冊につき)
5000万円以上1億円以下 60,000円 (45,000円=1通又は1冊につき)
商品販売代金の受取書
30,000円未満 非課税
100万円以下 200円
100万円以上200万円以下 400円
200万円以上300万円以下 600円
300万円以上500万円以下 1,000円
尚、養育費支払契約や財産分与契約、慰謝料の和解、示談契約は非課税です。
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