人は「生」をもって生まれたら、必ず「死」をもって人生の終止符を打ちます。
それは、どんな権力者や金持ちであっても平等に訪れます。
違いは「その時期」が早いか、遅いか、又はどのような最後(病気、事故、老衰)を終えるかによります。
誰だって死にたくはない。
特に自分が元気なときは、死ぬことなんて考えられないと思っているはずです。
歴史上の人物である、豊臣秀吉や徳川家康といった権力者達は「不老不死」の秘薬を求め全国各地、挙句の果てには世界中にまで探し回ったものの発見することはできず、せいぜい当時の平均寿命より長生きして息を引き取りました。
健康者にとって遺言書は、苦労して蓄えた自分の財産の処分を決めるなんて、なんて失礼な文章を書かねばならないと、憤慨される方も多いと思います。
また、家族の仲がよく、親子、兄弟間に何らわだかまりがないファミリーだったら、特に遺言書を作成する必要はありません。
しかし、複雑な現代社会で家族の意思疎通も困難になっている状況では、自分の死後死後相続で愛する家族が「争続」で争うことになる可能性があります。
遺言書の悪いイメージの中に、「遺書」と混同されている人が多々おられることでしょう。
しかし、遺言書と遺書は似て非なるものです。
遺言書 死後の為に、物事を言い残すこと。(広辞苑)
自分が苦労した蓄えた資産を文章に残すことにより、自由に生きている人に相続させることができるます。
自分の財産を自分の裁量で自由に処分することができる人生最後の権利であり、遺言書があれば、他人にも「遺贈」という形で自己財産を与えることができます。
但し、遺言書が無い場合は、民法に則り法定相続人しか相続させることができません。
遺書 死後の為に遺した手紙や文書。(広辞苑)
死に逝くとき(病気、自殺等)に、自身の心情を生きている人に、伝える為に書き留めておく文章。
特に自殺の場合、自殺に至るまでの恨み、辛みを羅列して心情を吐露することにより、家族、周囲の人を顧みる(かえりみる)ことなく、自ら命を絶つことですから、自己満足による生命の遮断です。
1985年8月に起こった日航機の御巣鷹山墜落事故で、あの恐怖の30分の間に死の恐怖と戦いながら愛する家族に自身の最後の言葉を紙切れや、メモ帳に書き留めてあったのが事故後発見され、涙を誘いました。
このように、遺言書と遺書は遺族、知人に対して相反する死後の手紙です。
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人間誰しも自分の人生が終わることについて前もって準備するというようなことは、あまり考えたくないものです。
しかし、遺言を書くということは、「死を準備する」ことではありません。
最近は遺言への理解が高まって、書店でも遺言・相続についての本もたくさん陳列しています。
それだけ、いつか訪れる「死」という現実を冷静に考える人が増えているからでしょう。
遺言書を書くということは、自分の財産を自分が好きなように分配することです。
また、遺言書を書くいうこと自体が、資産を多く持つ人のみが行うことであるように考えている方もおられるかもしれませんが、そんなことはありません。
遺言書を書かなかったことで、相続人は自分たちでその遺産の分割を話し合わなければならず、それが思わぬトラブルや確執を親族間の中に生んでしまう可能性があります。
ですから、遺言書を残すことによって、あなたの死後、生じるかもしれない相続人間のトラブルを未然に防ぐという大きな役割が遺言書にはあります。
財産が住んでいる自宅だけという場合も、遺言者の意思を遺言書によってはっきりと示すことができます。
財産が自宅だけでは、法定相続人間での公平な分割が難しいため、思い出深い家屋や土地を売らなければいけないというような状況もあり得ます。
医療技術の高度化で老齢者の寿命も年々上昇しています。
それにより、介護のために懸命に尽くしてくれた子供や親族がいるかもしれません。
実の子供には、遺言書が無くても法定相続分は受け散ることができますが、介護してくれた人が子供の妻といった相続とは関係無い人の場合は、基本的に遺言書を書かないと遺産を受け取る事ができません。
献身的に尽くしてくれる人には多くの財産を残してあげたいといった場合や、反対に親の言う事を聞かない子供には相続をあまり与えたくは無いというような意思や意図が遺言者にはあるかもしれません。
もし遺言書を書くことで、遺言者がその意思をはっきりさせることにより、自分の意思を貫くことができます。
このように遺言書には、あなたの死後、残された親族やまわりの人のために大きな意味を持つからこそ、たとえ相続財産の多い・少ないに関係なく、作成する必要性があります。
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若い方は借金(ローン)はあっても、資産は無いケースはありますが、年を重ねるごとにローンは残っていても、資産価値は増えてきます。
その最もたる資産は、家やマンションでしょう。
何故なら、多くの方は家やマンションを購入する際、団信(団体信用生命保険)に加入しているので、たとえ加入者が亡くなっても、これまで支払ってきたローンが無くなるからです。
そうすると、ローン残高数千万円の家が一気にローンが無くなり、反対に資産価値数千万の家になったりします。
このとき「遺言書」が無ければ、その家を相続人全員で分割することになります。
相続人が一人だけの場合は、何ら問題なく相続できますが、配偶者に子供が数人いると、それぞれに遺産を分け与える必要が出てきます。
更にその家に家族の一人が住んでいると、住んでいる相続人は当然、その家に住み続けたくなります。
しかし、他の相続人は、住めないのなら、その分現金で相続分を要求します。そうなると、最悪の場合、家を売却して、その代金で各相続人に遺産分割する必要が出てきます。
ここまでくると、親子・兄弟姉妹間は悪くなり、絶縁するケースも多々あります。
そうならない為にも、現金が少なく、不動産(家・マンション・土地等)をお持ちの方は、配偶者や子供達を「争族」させない為にも、元気な時に遺言書を作成しておくようにしましょう。
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相続争いは、お金持ちに起こることだから、お金のない自分には関係無いと思ってませんか?
そんなことはありません。
相続争いは、財産が少ない家庭ほど起こるとも言われます。
当事務所での相談でも、3000万円前後での相談が結構多いです。
そして、この3000万円前後というのは、現金での相続財産ではなく、土地・家屋といった、不動産です。
不動産は余程土地の形成が良く駅の近くといった好条件でないと、即売却は難しいでしょう。
また、その家に相続人の一人が住んでいる場合もあります。
こうなると、遺言書を残さずに遺産分割協議が始まると、「争族」になる可能性が高いです。
こうならない為にも遺言書を書いておきましょう。
遺言書は一度書いても、内容を変えたいと思ったら何度でも作り直すことが出来ます。
いつ何が起こるか分からない、いざという時の備えのために、遺言書の作成をお勧めします
どうやって書けば良いか分からない場合は、当事務所へご相談・ご依頼下さい。
当事務所が丁寧に、ご説明の上、遺言書の書き方をお教えします。
悩む前に、お電話下さい。
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あなたは遺言書を書くのは、不動産や銀行にたくさん預金しているお金持ちだけと思っていませんか?
被相続人(財産を与える人)が亡くなって相続でトラブルになるのは、資産家だけの問題ではありません。
反対に相続財産が土地家屋と、いくばくかの銀行預金という人が亡くなったときのほうが、相続でもめる場合が多いです。
特に不動産は親の家に子の誰かが同居しているケースが多く、住んでいる子としては親が亡くなれば当然その家を貰えるものと考えています。
子が一人の場合はそのまま相続できますが、ほかに兄弟姉妹がいると相続時にもめるケースが多いです。
現金なら1円単位で分けることができても、土地家屋となるとケーキのように切ることはできません。
土地が数百坪もあり正方形で形がよければまだ分割は可能ですが、土地が20~30坪で築年数が25年以上の家にになると、家の財産価値は殆どありません。
それでも親と同居していた子はその家に継続して住みたいし、ほかの兄弟姉妹は家はいらないかわりにお金が欲しいです。
親が亡くなる頃は子も40~50歳代になり自分達のローンや子の教育費で、のどから手が出るほどお金が必要になります。
そんなときに親が亡くなれば、「遺産」という一生に1~2度しかない不労所得を得ることができます。
親の死亡は悲しいが、生きている自分達はこれからも生活を続けなければならない。
自分達の子供のために少しでもお金蓄える必要がある。
自分だけではなく、配偶者やまわりの人からも相続の権利を教えこまれる。
映画監督の小津安二郎は1953年に「東京物語」を制作しました。
この映画が公開され60年以上経過するのに、映画の内容は現在の日本の家族とさほど変わりません。
興味にある方は一度ご覧になってください。
話はそれましたが、親が遺言書を書かずに亡くなると家を継ぐべき子が家を相続できず、子供全員で親の財産を平等に分けるためにわずかな土地家屋を売却することになり、悲しいかな親と同居していた子は賃貸マンションに引越しする羽目になった、ということが現実に起こっています。
ですから不動産を持っている方は必ず遺言書を書いて、誰に何を相続させるか明記する必要があります。
兄弟姉妹の仲が良いので、遺言書を書く必要が無いと思っている人もいるでしょう。
兄弟姉妹は親から血を分けた仲だから、当然これからも仲良く助け合って欲しいと親は願うものです。
もちろん、小学校、中学校、高校くらいまではおにいちゃん、おねえちゃんの関係で、それなりに仲良くできますが、学校を卒業して働き出し、そして結婚して新たな家族が構成されると少しずつ環境や考えの変化が生れだし、こどもの頃のような純粋な付き合いが出来にくくなります。
これも東京物語をご覧になると理解できると思います。
それでも両親のうちの一方が健在であるなら、兄弟姉妹はまだ本性を出しませんが、両親共に亡くなると、これまでの鬱憤が一気に噴出すことがよくあります。
民法では遺言書がない場合の兄弟姉妹の法定相続分は2分の1×人数で計算されます。
ですから、ふだん親兄弟と疎遠にしている子でも、法定相続分はもらう権利があります。
反対に遺言書を書いていれば、自分にとってかわいい子や、面倒を見てくれた子に多めに財産を与えることができます。
子の配偶者には相続させることはできませんが、遺贈で世話になった子の嫁に財産を与えることができます。
そして、トラブルメーカーになる子やまったく親の面倒をみない子や疎遠にしている子に対しては法定相続分以下の財産を与えることができます。
ただしこの場合は遺留分に気をつける必要があります。
まったく蓄えがない、不動産がないという人は当然遺言書は不要ですが、預金がある人や特に不動産がある人は、遺言書を作っておきましょう。
その遺言書はあなたの家族にとっても、大切な手紙になります。
当事務所ではあなたの家族構成や子供さんへの愛情度などをお伺いした上で、納得いく遺言書を作成します。
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遺言書というと、あまり良いイメージがありませんが、人間は生をもって生れた以上、死を避けることはできません。
もし、人間に死が存在しなかったり、亀のように100年、150年と長生きができたりすると、現在では豊臣秀吉は400歳以上になり、坂本竜馬は150歳位になっています。
しかし、人間は80歳から、長くても100歳程で生涯を終えます。
どんな権力者や知識人であっても、死から絶対に逃れることはできないのです。
地球レベルで考えても、もし死が存在しないと世界の総人口は今の80億人の倍以上の人口になって、農産物や化石燃料は枯渇するでしょう。
そうなると食料問題で飢餓が増し、住宅問題や地球環境汚染がこれまで以上に発生し、私達の暮らしに多大な影響が及びます。
また、病気や怪我になれば、生きていく以上に苦しむこともあり得ます。
別に生きることを否定する気はありませんが、死が現実に存在する以上、死に対して真摯に考えていく必要があります。
そこで、自分が生きていた証(あかし)を表現するのが、「遺言書」です。
あなたは遺言書を書くことを難しく考えていませんか?
もちろん、遺言書は一定のルール(法律)に則って書かないと無効になる可能性がありますが、反対にルールを守れば、とても簡単に自分の意思をあなたに託す人に書き残すことが出来ます。
あなたが苦労して築き上げた財産も遺言書を書かなかった為に、あなたの死後、相続人たちに好き勝手に処分されることもありえます。
しかし、遺言書を作っておけば、法律(民法)に優先して有効なあなたの意思表示ができます。
自分には財産なんか無いから、遺言書なんて必要無いと思っている人はいませんか?
自分では財産を持っていないと思っていても、このホームページを開いた人なら、何らかの財産を持っているはずです。
例えば、今住んでいる家やマンションには、資産価値があります。
借地権も借家権も、りっぱな相続財産です。
たとえ、自宅のローン返済が未だ20年残っていても、最近では殆どの人は住宅ローンを組むときに団体信用生命保険(団信)に加入しているので、ローンの借主が亡くなったら保険会社が残高に見合う金額を融資先に支払い、住宅ローンは全て決済されます。
そうなると、住んでいる家またはマンションの抵当権は無くなり、相続財産となり得ます。
そして、生命保険も、りっぱな財産です。
但し、生命保険は、「みなし財産」になります。
みなし財産とは、被相続人(亡くなった人)が生前築いた財産ではなく、亡くなった事実によって受け取れる財産ということです。
この生命保険金は相続人にとって現金を受け取ることが出来る財産であり、相続人1名につき500万円の控除があり、残された配偶者や子供には非常には、有益な相続財産となります。
但し、法定相続人が、
① 未成年者
② 障害者
③ 生計を一にする者
であり、相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者が、該当します。
このように死がある以上、あなたが苦労して築き上げてきた財産を自由に処分できるのが遺言書であり、法的根拠はありませんが、「付言事項」を入れることで、あなたの意思を確実に愛する配偶者や子供達に伝えることが出来る、人生最後の手紙でもあります。
ですから、将来の死を恐れることなく、遺言書を書いて、あなたの意思を未来に生きていく人達に伝えませんか?
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遺言書を作成することで、相続人間において最も繊細な問題である、遺産分割協議を不要にすることが可能です。
今でも地方では、長男や長女が幅を利かせて財差を独り占めする場合があります。
そうすると大抵の弟妹は反論できず、お兄ちゃんやお姉ちゃんの言いなりになります。
親としては兄弟姉妹仲良くして欲しいものの、それぞれが結婚して家族を持つと、小さかった頃の兄弟姉妹のままでは付き合いできません。
相続は兄弟姉妹だけの問題ではなく、関係の無い配偶者や親戚も絡んでくるので、余計にややこしくなります。
また、これまで仲が良かったのに、遺産分割をきっかけに付き合いが無くなった、というケースも増えています。
こういったことにならない為にも、遺言書を作成する必要が出てきます。
残される財産に関して、どのように分けるのか(分配するのか)明確に書いておれば、死後、様々な相続トラブルを回避できることになります。
そして、遺言書によって、円滑に相続手続きを進めることができます。
うちは財産がないから関係無いと思っていたり、うちの家族は大丈夫と考えていると、後で相続のトラブルになるケースが多いです。
遺言書をしっかり作成しておけば、希望通りの相続人に財産を渡すことができます。
当事務所では、遺言者の意に適った内容の遺言書を作成しますので、ご心配な方は、一度ご相談・ご依頼下さい。
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遺言書を作成すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
よく間違うのが「遺言書」と「遺書」です。
二つの違いについては、
つまり、遺言書と遺書との違いは、二つとも「死を前提」としているが、「遺言書」は自分が持っている財産を自分の裁量で自由に相続人や相続人以外の人にあげる(相続させる)ことを云い、「遺書」は自分の死によって悩みや苦しみから強制的に解決を図るときに書く、最後の意思表示です。
ですから「遺言書」と「遺書」は似て非なるものです。
ただ両方とも死を前提にしているので、できれば書きたくないと考えるのは理解できます。
しかし、人間は「生」を受けた以上必ず「死」に至ります。
人間の死亡率は100%です。
どんな金持ちでも権力者でも、絶対に死から逃れることはできません。
自分で苦労して蓄えた財産を遺言書がなかった為に、相続人たちに好き勝手に処分される可能性があります。
また、苦労して購入した不動産も相続によって分割・売却されて、あなたの死後、跡形も無くなるかも知れません。
昔から、「栄枯盛衰」とはよく言ったものです。
どんな華やかな人生を送っていても、子供の代、孫の代になって何も無くなってしまうということは、現実によくある話です。
相続対策を賢く考えていかないと、せっかく蓄えた財産もあっという間に無くなります。
相続人の中には普段から特別に目を掛けている子供もいれば、親不孝な子供がいる場合があります。
もし遺言書を書いておれば、相続人間で財産の差を付けることができます。
反対に遺言書が無ければ一般的に法定相続されるので、親不孝な子供にも平等に相続配分されます。
「死んでしまったら、後のことは関係ない!」と考える方は、多分このホームページをご覧にならないでしょう。
多くの方は奥さんや子供さんといった、家族の将来を心配していることと思います。
家族のことを真剣に考えているのなら、「遺言書」書きましょう。
あなたが考えているほど、遺言書は難しいものではありません。
ただ、自分の財産を自由に配分できるということは、誰にでも財産をあげることが可能ということです。
というと、家族以外の知り合いや、世話になった人や、愛人、公共団体にもあげることができます。
しかし、家族以外の人に財産をあげた場合、家族は困ります。
そうならない為に遺言書には法律(民法)が適用されます。
この民法に則って書かないと、遺留分減殺請求されたり、遺言書自体無効になる可能性があります。
ですから、自分の意思を貫き、かつ相続人同士で「争族」にならない為にも、遺言書を書くことをお勧めします。
すなわち、「争族」をスムーズな「相続」にさせることが、一番の遺言書作成のメリットです。
当事務所ではお客様の資産状況や家族関係をじっくりお伺いした上で、ご希望に沿った遺言書を作成致します。
また、公正証書遺言を希望される方には、当職が直接お客様の遺言原案を公証人と打ち合わせをしますので、遺言書完了日(署名日)に公証役場に来て頂くだけで終了します。(通常本人が公正証書遺言を作成する場合、相談から内容の校正、完了まで4~5回程出頭する必要があります。)
では、遺言書を書くと、どのようなメリットがあるのでしょうか?
下記にメリットをまとめてあります。
① 遺言者の真意が伝わります
遺言書が無い場合、遺言者が家族に対する気持ち・考えが伝わりません。
生前、寡黙(かもく)な方が亡くなると、家族でもその方の真意が分かりません。
しかし、遺言書を書くことで、遺言者の生前の気持ち・思い・考え方が把握できます。
特に特定の方に多めに相続させる場合は、その旨を書くことができますし、何故その人に多めに配分するかを書く連ねることができます。
それを書くことで、不公平感がある相続人も納得しやすくなります。(これを付言事項といいます)
② 遺産争いを未然に防げる
遺言書がないと、相続人たちが好き勝手なことを主張・話し合って遺産分割協議がスムーズに進まない可能性があります。
それと云うのも、多くの人にとって相続は楽をして財産を手に入れるチャンス(一種の不労所得です)なので、少しでも自分の取り分を多く主張します。
その結果、遺産分割協議がまとまらなくなり相続手続きが進まなかったり、遺産の配分をめぐって親族関係が悪化することになりがちです。
特に、兄弟姉妹の中でも、お兄ちゃん・お姉ちゃんが発言力が強く、弟や妹は否応なく従うケースが多いです。
このような場合でも遺言書があれば、遺族は余計な気を使うことなく、遺産争いを未然に防ぐことができます。
③ 特定の人に財産を確実に残せる
遺言書がなければ相続人は原則、法律に定められた割合で遺産を相続することになります。
これを「法定相続分」といいます。
しかし実際は、上記のとおり法定相続分を無視して財産を分けることが可能なので、家族間の力関係によっては特定の人が財産を独り占めすることもあり得ます。
そのために、それまで親の世話をする為に同居していたのに、他の相続人が法定相続分を主張した為に家を売却しなければならなくなったケースや、もらえるはずの財産がもらえず、今後の生活設計を変更せざるを得ない、といったケースがあります。
しかし、遺言書があれば、特定の人に確実に財産を相続させられるため、その人の生活を守ることができます。
④ 相続手続きの負担を減らせる
遺言書があれば、実務上のメリットがあります。
一般的に、相続手続きにはかなりの手間がかかりますが、遺言書を作成するときは事前に相続関係が把握している場合が多いので、手続きが進めやすくなります。
ですから相続人の負担を減らすことができます。
特に相続人が高齢や病気だったり、勤め人で時間がなかなか取れない方にとってメリットが大きいといえます。
⑤ 遺言書で自分の希望・願いを表現できる
家族以外の人で、お世話になった方にいくらかの遺贈をしたい場合や、子供を認知したい場合など遺言によって実現することが可能です。
この場合、遺言執行者を指名していれば良いでしょう。
また、付言事項として、葬儀の方法やお墓の希望も家族に伝ることができます。
ただし、これは民法にはありませから、強制力はありません。
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「遺言なんて自分の死を前提に書くので、縁起でもない」とか、「遺言書を書くほどの財産はない」や、「家族の仲が良いから相続でもめることはないだろう」などと思っていませんか?
しかし、相続をきっかけに、それまで仲の良かった兄弟姉妹が対立したり、「相続人のひとりの声が大きくて財産を殆ど持っていかれて、他の相続人が相続できなかった。」といった、思わぬ争いごとで「相続」ならぬ「争族」に発展する場合が最近多くなっています。
更に、遺言書が無い為に、相続財差が土地・家屋を共有で法定相続分で分けたために、売却の際に売りたくても売ることができない、いうケースも少なくありません。
遺言書を作成するメリットとしては、
① 遺言者の生前の希望を文章で伝えることができる。
② 遺言者の死後、発生しかねない「争族」を未然に防ぐことができる。
③ 遺言執行者を決めておくことで、他の相続人の煩雑な相続手続きの負担を軽減することができる。
また、遺言書を書かないで亡くなると、相続人は相続手続きが開始するにも、どれだけ財産があるか分からない場合があります。
財産には、プラスの財産があれば、マイナス財産もあります。
遺言書がない場合、相続人にとって何の財産がいくらあるのかを把握するのは、非常に労力を要する作業です。
遺言書を書くことによって、財産の把握が容易となり、煩雑な相続手続きの負担を軽減することができます。
このように、遺言書を書くことは、死後発生する様々な問題を未然に防ぐことができますから、「人間の死は必ず訪れる」ことをポシティブに考えて一度書いてみては如何ですか?
また、遺言書を書くことで自分の財差(プラスの財産・マイナスの財産)がどの位あるか分かりますし、相続税対策にもなります。
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遺言は遺言書の作成方法により、いくつかに分けられます。
遺言には普通方式と特別方式があります。
特別方式とは船舶が遭難したときや伝染病による隔絶者遺言といった緊急・災害時の際に行う遺言ですが、ここでは通常生活での遺言である、「普通方式」での遺言について説明します。
まず普通方式の遺言には3通りがあります。
1.自筆証書遺言
2.秘密証書遺言
3.公正証書遺言
これら3つの遺言の中で一番簡単に書くことができるのが、自筆証書遺言です。
書き方は、極端に言えば、紙とボールペンとハンコがあれば良いのです。
しかし、書き方は簡単ですが問題は誰が・どこで遺言書を保管するかです。
一生懸命自分の思い通りの遺言書を書いたのに、死亡後遺言書が発見されなかったり、発見されても内容に都合が悪い相続人に破棄される可能性があります。
また、法律に則った遺言書を書かなかった為に、遺言書が無効になる可能性もあります。
秘密証書遺言は自筆で書く必要が無いので、手が不自由な方もパソコン等を使用して書くことができ、作成後は公証人役場で遺言書を封印しますが、自筆証書遺言同様に法律に則って書かない限り、無効になる可能性があります。
また、 基本的に自分で保管するので、自筆証書同様に発見されなかったり、破棄される可能性があります。
こういった問題を回避するには公正証書遺言が安心です。
公正証書遺言は公証役場に証人2名同席させ、公証人に口頭で遺言内容を口述しますから、自分で遺言を書く必要がありません。
また原本は公証役場で保管してくれるので、死後遺言書が発見されなかったり、相続人に破棄される可能性はありません。
しかし、証人2名が必要で、なかなか適任者が見つからなかったり、証人が相続関係者に口外しないとは限りません。
また、公証人に手数料を支払わなければならないので、結構な額になります。
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遺言書を作成すべき人は、以下のような人です。
法定相続分と異なる遺産分けをしたい場合
何人かの子供のなかで一人だけ常日頃、身の回りの世話を良くしてくれたので、他の子より多めに財産を与え、反対にこれまで親の面倒を看なかった子には少なめに与えたいというケースです。
このような意思表示を遺言書に書いておくだけで、法定相続分以外の計算で相続させることができます。但し、このよう場合は遺留分に注意する必要があります。
相続人の数、遺産の額、種類、数量が多い場合
相続人が多いとそれだけ相続(争族)争いが起きる可能性は高くなります。そして、遺産額、種類(不動産、動産)が多いと、相続争いが起こる可能性が高くなるので、後日の紛争を解除する為にも遺言書を作成して、相続分をはっきり決めておく必要があります。
相続人である、子供達の兄弟仲が悪い場合
子供達の仲が悪いと、相続時にスムーズに遺産分割協議ができません。
片方の親が存命なら、まだ親の権威で子供達が妥協することがありますが、両親がいない場合、話し合いでは埒があかず、家庭裁判所での調停、審判で解決を図らなければならないケースが最近増えています。
子供のいない夫婦
子供がいなくて夫婦の一方が死亡した場合、残された配偶者と被相続人の親または兄弟姉妹が法定相続人となります。
この場合、
配偶者と義父母の場合は、配偶者3分の2、義父母3分の1
配偶者と義兄弟姉妹は、配偶者4分の3、兄弟姉妹が4分の1
せっかく夫婦で築いた財産を遺言書がない為、関係ない義兄弟姉妹に配分しなければなりませんし、たとえ、兄弟姉妹が死亡していても、甥や姪がいれば代襲相続人として相続権が発生します。
財産が減少する上、頭を下げてお願いしなければならない事態になります。
一番良い解決策は兄弟姉妹が相続を放棄してくれれば良いのですが、人間はお金が絡むと、そう簡単にはいきません。そして、唯一の財産が土地、家屋だけだったら、兄弟姉妹に相続分を払う為に、家と土地を手放さねばならなくなります。
老後の為に残した家を、付き合いの無い兄弟姉妹の為に処分しなければならない。こんな馬鹿なことはありません。
家を売って兄弟姉妹に相続分を払い、僅かに残った金銭で賃貸住宅に住む、といった悲惨なことが遺言書を書かなかった為に現実に起こりえます。
しかし、こんなケースでも、遺言書さえあれば配偶者へ財産全て相続させることが可能です。
個人事業(自営業者)をしている場合
土地、建物といった事業資産は分散させず、後継者に相続させる必要があります。
遺言書が無い為、資産分散され事業が継続できなくなる場合があります。
しかし、遺言書を書くことで後継者には事業用資産を相続させ、他の相続人には現金等を相続させることが可能です。
息子の妻に介護の世話になっている場合
息子の妻に病気の介護をしてもらっている場合、相続人にとって息子の妻は他人に当たるので相続権はありませんが、遺言書によってこれまでの感謝の気持ちとして財産を「遺贈」させることができます。
孫に遺産を与えたい場合
孫には相続させることはできませんが、息子の嫁同様「遺贈」させることは可能です。
相続人以外に財産を与えたい場合
生前にお世話になった方に感謝やお礼として財産を与えたいとき、遺言書で遺贈できます。
子供のなかに病気や身体障害の子がいる場合
親は子供より早く亡くなります。このような場合、子供の行く末は心配です。
法定相続分だと、健康な子も体の弱い子も同等の相続分しか配分できませんが、遺言書があることで、体の弱い子により多くの財産を相続させることができます。
先妻の子と後妻がいる場合
先妻の子と後妻は同居していなかったり、仲が悪かったりで、遺産協議をしようにも時間ばかり経って、家庭裁判所の判断を仰ぐケースが多々あります。
こんな場合でも遺言書さえあれば、遺産分割協議することなく各自財産を相続できることになります。
内縁の妻がいる場合
事情があって婚姻届が出されていない事実上の妻がいる場合、何十年同居していても相続権はありませんから、遺言書を書くことで内妻に財産を残すことができます。
配偶者以外との間に子供(非嫡出子=認知されていない)がいる
家族(相続人)が知らない子供(認知されていない子)がいると、相続開始後争いが起こることが眼に見えてわかります。
非嫡出子や隠し子といったものは、被相続人(財産を与える人)の自己責任であるので、その子の為にも遺言書を作成しておく必要があります。
勿論、非嫡出子にも遺言書で財産を多く与えることができます。
相続人がいない場合
配偶者、親、兄弟姉妹がいないとせっかくの財産も国のものとなります。
たとえ、特別縁故者がいても全額受け取れません。
遺言書を書くことで、生前世話になった人や市町村や福祉団体などご自身で遺贈先を選ぶことができます。
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遺言書なんて縁起でもいないと、遺言書を書きたくないと考える方も多いと思います。
実際、遺言書が有効になるためには、遺言者が亡くなってからですから、死ぬことを前提に遺言書を書くことは気分良く感じないでしょう。
しかし、苦労して蓄えた資産を所有している方にとって、自分の死後、相続人たちに好き勝手に処分されることを快く感じないでしょう。
特に、会社経営されている社長さんやお店のオーナなど経営活動されている方は、遺言書で資産運営方法や後継者を決めておかないと、遺産分割協議で相続人たちに好き勝手に処分される可能性があります。
遺言書を書かなかった為、ありがちなトラブルは下記のとおりです。
① 相続人によるトラブル
遺産分割協議は相続人全員が参加して協議をします。
ですから、相続人の一人でも協議に反対すると、いつまで経っても終わりません。
また、全員一致が原則ですが、兄弟姉妹間の協議では、どうしてもお兄ちゃん・お姉ちゃんの発言が強く、弟や妹は言いなりになるケースが多いです。
そうなると、多めにあげたかった子が相続分が少なかったり、会社やお店を継がせたかった子が承継できない、といったことがあり得ます。
② 法定相続人以外の人に財産をあげたい場合のトラブル
お世話になった人や特定の人に財産をあげたい場合は遺言書が無いと、財産を与える(遺贈)ことができません。
特に、婚姻関係にない相手との間にできた子には遺言書で認知ができますから、最後まで家族に知られずに済むことができます。
③ お墓について書いておきたい場合のトラブル
葬式やお墓については遺言することはできますが、法的根拠がありませんから、書いたところで相続人に履行させる強制力はありません。
特に葬式については、たとえ遺言書を書いたところで、遺言書を開封されて内容を確認しない限り、分かりません。
一般的に関係者や相続人が遺言書を保管していれば、遺言者の死後、すみやかに遺言書の確認をすることが可能ですが、自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合、封印された遺言書は検認手続が必要ですから、亡くなったからといってすぐに開封することはできません。
ですから遺言書に葬式の方法について書くことはあまりお勧めできません。
但し、公正証書遺言は死後すぐに内容確認できますから、希望する葬式がある方は事前に「遺言書に葬式に関して記載してあるので、その通りに履行して欲しい」と相続人に伝えてあれば、実現は可能でしょう。
お墓に関して初七日、四十九日など法要は続きますが、お墓の購入や場所の特定などには時間的な余裕がありますから、特定のお墓や場所を求める場合は遺言書に書いていれば履行される可能性は高いです。
反対に何も書かずに亡くなると、適当な場所に造られる可能性があります。
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遺言書を作成することで推定相続人(相続人になる予定の人)の性格や生活状態を考慮して、各推定相続人の相続財産を指定することができます。
① 推定相続人の将来・生活を考えた場合
妻の今後の生活を心配して、他の相続人より多めに相続させたい。
同居している子供に、自宅を相続させたい。
自分の面倒を見てくれる長女に、余分に財産を残したい。
などの場合です。
② 相続財産に不動産がある場合
財産が現金の場合は簡単に分配できますが、相続財産が土地・不動産の場合は遺言書がないと簡単に売却・分割できないので、相続人間でもめるケースが多いです
ですから、不動産がある場合、
遺言書には、
大阪府堺市堺区xx丁xx番地にある自宅の土地と家屋は、妻xxxに相続させる。
大阪市住吉区xxx町xx丁xxxx番地にあるマンションは、長男xxxxに相続させる。
東京都港区xxx丁目xxxx番地にあるマンションは、長女xxxxに相続させる。
と、いうように具体的に不動産を記載して、誰にどこの不動産を相続させるか明記します。
尚、住所地は、登記簿上の住所を記載します。
③ 子供がいない場合
夫婦間に子供がいなければすべて妻(または夫)が相続できると考えている方が多いようですが、それは誤りです。
もし遺言書を書かなければ、配偶者と亡くなった配偶者の親や兄弟姉妹が相続人となり、配偶者が遺産のすべてを相続することができません。
因みに、その場合は
1) 配偶者と義父母の場合は、配偶者が3分の2で、親が3分の1
2) 配偶者と義兄弟姉妹の場合は、配偶者が4分の3で、親が4分の1
配偶者(妻または夫)と義理の父母や兄弟姉妹との話し合いは付き合いの程度にもよりますが、中々円満には進まないものです。
しかし、遺言書を書いておけば、財産が義父母や兄弟姉妹には渡りません。
親には遺留分はありますが、遺言書で配偶者へ全財産相続させる旨の遺言を書いておけば良いです。
尚、兄弟姉妹には遺留分がありませんから、遺言書があれば100%配偶者が相続できます。
④ 自営業者の場合
会社経営や個人商店のような自営業者は、事前に遺言書を作っておかないと、相続によって資産が分散してしまい、経営が成り立たなくなる恐れがあります。
その為には、事業に必要な資産を後継者が相続できるように、遺言書を作成しておけば安心です。
但し、財産の全て承継者に相続させると、他の相続人の遺留分の問題が発生しますので、他の相続人への配慮も必要です。
⑤ 法定相続人以外の人に遺産をあげたい場合
遺言書がないと、法定相続人以外の人には遺産をあげることができませんから、下記のケースの人に財産をあげたい場合は、遺言書が必要です。
1) 遺言者の看病をしてくれた長男の嫁に、財産をあげたい。
2) 長年連れ添った内縁の妻(夫)に、財産をあげたい。
3) お世話になったヘルパーや近所の人といった、相続人以外の第三者に財産をあげたい。
4) 市区町村場や世話になった福祉施設や宗教団体などに、財産を寄付したい。
⑥ 遺産分割で揉める(争族)可能性がある場合
遺言書を作成しておけば、遺言書通りの遺産分割が進みますが、下記のようなケースでは遺言書を作成しておかないと、「争族」になる可能性が高いです。
① 自宅以外に財産がない場合
② 推定相続人同士の仲が悪い場合
③ 家族に内緒で認知した子がいる場合
④ 家族に未婚者がいる場合
⑤ 推定相続人の中に行方不明者や浪費者がいる場合
⑥ 前妻との間に子があり、後妻がいる場合
これらのケースでは、遺言書は自筆遺言ではなく、公正証書遺言で遺言執行者を指定しておけば、スムーズに手続ができます。
当事務所では、自筆証書遺言は勿論、公正証書遺言作成についても公証人と打ち合わせをしながら手続をしますので、安心してご相談・ご依頼して頂けます。
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いざ遺言書を書こうと思っても、何でもかんでも書いても法的に有効になるわけではありません。
法的に有効な事項を書かないと遺言書は単なる「手紙」や「伝言」になる可能性があります。
たとえば自分の遺体を医学教育の為の献体に利用してもらいたい場合や妻を大事にして、子供達が仲良く するといった願望は法的効力はありませんが、本人の希望を伝えるものとしては意味があります。
遺言できること(遺言事項)は、下記の通りです。
相続および財産処分に関すること
1. 相続分の指定およびその委託
2. 遺産分割の方法の指定およびその委託
3. 遺産分割の禁止 (死後5年間は遺産分割を禁止できる)
4. 相続人の廃除または排除の取消
5. 特別受益の持ち戻しの免除
6. 遺贈
7. 遺贈減殺方法の指定(遺留分を侵害する遺贈が複数ある場合に、減殺の順序や割合などを指定できる)
8. 寄付行為
9. 信託の設定(信託銀行などに財産を信託する旨の意思表示できる)
10. 共同相続人の間の担保責任の指定(ある相続人が取得した財産に欠陥があった場合に他の共同相続人はその損失を相続分の割合で分担しなければならないという、民法の規定を変更できる)
身分に関すること
1.子の認知
2.未成年後見人の指定および未成年後見監督人の指定(自分の死亡により親権者がいなくなる未成年の子について後見人および監督人を指定できる)
その他
1.遺言執行者の指定およびその委託(遺言の内容を確実に実行してもらうための遺言執行者を指定できる)
2.祭祀承継者の指定
遺言できないことは、以下のとおりです。
遺言書を残すということは、遺言者からの一方的な行為ですから、法的な拘束力を持たないものもあります。
1.結婚・離婚に関すること
結婚や離婚は当事者の合意に基づいて行うことですから、遺言によって書き換えられることはありません。
遺言書に「妻と離婚して相続権を与えたくない。」と記載しても、法的には無効です。
2.養子縁組に関すること
養子縁組に関しても死亡後、遺言書によって書き換えられることは法的に無効となります。
養子縁組をしていなかったために、わが子同様に育ててきた子供に相続権が与えられない例があります。
そうならないためにも生前に養子縁組を執り行っておくことをおすすめします。
養子縁組ができなかった場合、遺言書に遺贈のかたちで財産を与えることができます。
また養子縁組の解消についても遺言書では効力を持ちません。
3.借金債務の分割指示や遺体解剖や臓器移植に関すること
これらも、遺言書では法的に拘束力を持ちません。
遺言は、身分に関するものと財産に関するものに限られ、遺族の婚姻や養子縁組、遺産の売買に関することを遺言に記載しても、その遺言は拘束力を持ちません。
また、夫婦連名の遺言など、複数の人が共同で同一の遺言書を遺すことはできませんのでご注意ください。
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自筆証書遺言書とは文字通り、遺言者(遺言書を書く人)が自分自身で書く遺言です。
ですから自分で書けない場合は、自筆証書遺言は書くことが出来ません。
遺言書は自筆で「全文」、「日付」、「氏名」を書き、判を押します。
他人の介助で自分が書いた遺言書も一応有効ですが、その介助がどれ位の介助で、本人が本当に自分の意思で書いたという証明がつかない限り、有効性を認めさせるのは困難です。
増して、遺言書を書いた本人が既に亡くなっているのですから、相続でもめる原因になります。
もし、自分で書ける状態でなかったり、認知症の症状が少しでもあるのならば、自筆証書遺言は勧められません。
「日付」は、書いた日にちが特定できなければならないので、年・月・日を明確に書く必要があります。
たとえば、「満65歳の誕生日」は日にちを書かなくても特定することができるので有効ですが、「平成22年1月吉日」といった記載では日にちが特定できないので無効です。
遺言書には基本的に元号を入れますが、西暦で書いても問題ありません。
「氏名」は遺言者の戸籍上の名前を書きますが、芸名や雅号であっても遺言者を特定できれば有効です。
「印」は三文判の判子でも印鑑証明の実印であってもかまいませんが、せっかく遺言者の意思を遺言書に残すのであれば、実印の方が遺言者の思い入れが分かりやすいです。
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秘密証書遺言は遺言の内容を秘密にすることができますが、証人が公証役場に付き添うので、遺言をしたこと自体は秘密にできません。
秘密証書遺言の利点は自分で書かなくても良いことです。
ですから他人に書いてもらったり、ワープロ、パソコン、点字機などを使って書いても問題ありませんが、録音したり、ビデオを使った録画による遺言は無効です。
遺言内容は自筆でなくて良いですが、署名は必ず自分で書かないといけませんので、自署ができない人は秘密証書遺言をできません。
遺言書に押す印鑑は認印で良く、印鑑登録された印鑑を捺印する必要はありません。
秘密証書遺言の書き方
1.遺言を書き封筒にいれる
出来上がった遺言書を封筒に入れて、遺言書に押した同じ印鑑を使って封印します。
違う印鑑を押印した場合は、その遺言は無効になるので注意しましょう。
2.2名の証人を連れて公証人役場へ行きます。
3.自分の遺言書であることを申述する
遺言者は公証人と2名の証人の前で封印した遺言書を提出し、その遺言書が自分の遺言書であることを申述します。
その遺言書が他人によって書かれているときは、筆記者の氏名・住所を申述します。
遺言書が代筆の場合は代筆者の氏名・住所を書きます。
また、口がきけない場合は、その旨を封紙に書き、氏名・住所を自署します。
4.全員が署名・捺印する
公証人は封筒に封紙を貼り、そこに遺言書を提出した年月日を記載し、公証人、遺言者、2名の証人が署名、捺印します。
以上が秘密証書遺言の方法ですが、どれか1つでも欠けたら秘密証書遺言は無効になります。
ただし、秘密証書遺言が無効でも、自筆証書遺言としての条件を備えていれば、自筆証書遺言として有効です。
秘密証書遺言の短所は?
遺言書の封筒に封紙を貼られるので、遺言書を改変される可能性は低いですが、公証人役場で保管されるのではなく、自分で秘密証書遺言を保管するする必要があるので、遺言書内容が自分にとって不利だと思われる推定相続人等に隠匿・破棄される可能性はあります。
また、せっかく公証役場で作ったのに、遺言者の死後に家庭裁判所で遺言書の検認を受けなければなりません。
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公正証書遺言は遺言書の原本を作成後に公証役場で20年間、または遺言者が100歳に達するまでどちらか長い年数を保管しますので遺言を確実なものになります。
公正証書遺言の書き方
1.2名の証人を公証役場に連れて行く
推定相続人(相続人になる予定の人)は証人になれません。
2.公証人の前で遺言する
公証人の面前で遺言を述べます。
3.公証人は遺言の内容を筆記し、読み聞かせる
公証人は遺言者が口頭で述べた遺言内容を筆記して遺言者と2名の証人に読み聞かせます。
遺言者と証人はその筆記内容が間違いないことを確認します。
4.遺言者と証人が署名・捺印する
筆記内容に間違いが無ければ、各自署名・押印します。
押印する印鑑は印鑑登録された実印を使います。
5. 公証人が署名・捺印する
公証人は、この遺言書が上記のとおりに作成されたことを付記し、署名・捺印します。
公正証書遺言の原本は公証役場で保管されるので、たとえ自宅に持ち帰った公正証書遺言の謄本を利害関係者に隠匿されたり破棄されても遺言内容には問題ありません。
また、遺言者の死後、公正証書遺言は家庭裁判所での検認が必要ありませんので、すぐに相続手続が始められるメリットがあります。
公正証書遺言の短所
1.証人が2名必要。
たとえ遺言者にたくさんに友人・知人がいても、自分の遺言内容をその友人・知人になかなか言いたくないものです。
増して、自分の財産や妻や子ども達との関係も知られることになるので、公正証書遺言をしたくても、その一歩が踏み出せません。
当事務所ではあなたの公正証書遺言の証人になれますし、証人のご紹介もできますので、安心してご依頼できます。
2.遺言内容を考える必要がある
たとえ2名の証人を連れて公証役場に行っても遺言を作るのは公証人ではなく、遺言者です。
当然のことですが、公証人は遺言内容について助言はしてくれても、内容まで決めてくれません。
なかには公証人が全てしてくれると勘違いされる方もいますが、あくまで公証人は遺言者の遺言内容を公正証書にしてくれるだけです。
実務的にも、証人2名連れて行き、その場で遺言内容を考えて遺言書を作るということはありません。
一般的に何度も公証人と打合せをして、内容に納得してからようやく証人を連れて行って公正証書遺言を作成することになります。
但し、公証人も忙しいですし、元裁判官や元検察官といったお堅い肩書きを持った人なので、書く内容が決まらず、何度も同じような話ばかりされると、正直迷惑がられます。
こういった問題を解決するには、行政書士に依頼して遺言書の原案を作成してもらうのが良いでしょう。
当事務所では、遺言者の遺言内容をしっかりお伺いして、どのように遺産を配分したいかを遺留分に注意しながら遺言書を作成していきます。
また、祭祀継承や遺言者の死後に問題になりそうなことも遺言書に記載することにより、スムーズに相続手続が行えるように作成します。
3.公証人に手数料がかかる
公証人手数料の手数料は、下記をクリックして下さい。
当事務所へご依頼された場合は、公証人との打合せや証人を探す必要もなく、公正証書作成日にお一人で公証人役場に来て頂くことが可能です。
公正証書遺言の作成をお考えの方は是非当事務所にお問い合わせ下さい。
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口がきけない人や,耳が聞こえない人でも,公正証書遺言をすることができます。
以前は,公正証書遺言は,遺言者が「口頭」で、公証人にその意思を伝えなければなりませせんでした。
更に遺言書作成後,これを「読み聞かせ」なければならないとされていましたが、平成12年1月の民法改正により、口がきけない人や,耳の聞こえない人でも,公正証書遺言を作成することができるようになりました。
ですから,口のきけない人でも,自書が可能であれば,公証人の面前でその趣旨を自書(筆談)することで、また,病気等で手が不自由で自書のできない方は,通訳人の通訳を通じて申述することにより,公証人にその意思を伝えることで,公正証書遺言ができることになりました。
それにより、もともと口のきけない人や脳梗塞で倒れてうまく話せない人や,病気のため気管に穴を開けたりして口のきけない状態になっている人でも,公正証書遺言ができるようになりました。
また,耳の聞こえない人には、公証人の読み聞かせに代えて,閲覧または通訳人の通訳により,筆記した内容の正確性を確認することができるようになりました。
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公正証書遺言は,遺言者が公証人の面前で遺言の内容を口授し,それに基づいて公証人が遺言者をを文章にまとめ,公正証書遺言として作成するものですが、公正証書遺言にはメリットがあればデメリットもあります。
遺言書のメリットとデメリットを比較してみましょう。
公正証書遺言のメリット
まず一番のメリットとしては、公証人役場で原本を保管してくれますから、第三者による偽造や隠匿、改ざんの可能性がありません。
また、公正証書遺言は,家庭裁判所で検認の手続を経る必要がないので,相続開始後,速やかに遺言の内容を実現することができます。
そして,自筆証書遺言は,全文自分で書かないといけませんから,病気で自書が困難となった場合には,自筆証書遺言をすることはできませんが,公証人は遺言者に代わり遺言をすることができます。
更に、自分で書けないだけではなく署名できない場合でも,公証人が遺言者の署名を代書できます。
公正証書遺言の一番のデメリットは、遺言書作成に費用がかかることでしょう。
費用は相続財産によって違いますが、最低でも数万円から数十万円かかります。
また、公正証書遺言を作成するには,遺言者の真意を確保するため,証人2人の立会いが必要です。
この証人見つけるのが難しく、公正証書遺言書をあきらめる人が多いです。
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公正証書遺言をするには,どんな資料を準備しておけば良いでしょうか?
公正証書遺言の作成を依頼する場合は下記の資料が必要です。
但し遺言内容によっては他にも資料が必要となる場合もありますから、事前に依頼する公証役場に尋ねたほうが良いでしょう。
① 遺言者本人の印鑑登録証明書
② 遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本
③ 財産を相続人以外の人に遺贈する場合には,その人の住民票
④ 財産の中に不動産がある場合には,その登記事項証明書(登記簿謄本)と,固定資産評価証明書又は固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書
⑤ 証人二人(証人予定者の氏名,住所,生年月日及び職業をメモしておくこと)
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遺言書は、遺産争いを未然に防ぐ為に作成しますが、その遺言書の不備や配慮不足によって、かえって相続人間の争いになることがあります。
そうならない為にも、各相続人のことを考慮して作成する必要があります。
たとえば、金銭的に問題がある相続人には、生活が困らないように多めに相続させる配慮が必要です。
要するに、それぞれの相続人の生活環境を考慮した相続財産の指定が大切です。
法定相続は平等が原則ですが、遺言書は遺言者が自由に書くことができるので、相続分を平等にする必要はありませんが、相続人に納得がいくような遺産配分が重要になります。
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現金・預貯金は1円単位で分配できますが、土地・家屋といった不動産や自動車や絵画といった動産は、何割を相続させるといった書き方をすると、せっかく遺言書を書いたのに、分割する為に協議が必要になり、かえって相続人間でもめる原因になります。
その為、遺言書では財産全てを「誰」に「何を相続させるか」を、遺言で特定しておくことが大切です。
特定することで、遺留分の問題はともかく、財産をきれいに分配することができます。
但し、できるだけ、相続人に公平で納得がいくような遺産配分が重要です。
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夫婦で、奥さんは自分が長生きすると考え、夫が遺言書を作成する際、「妻に全財産を相続させる」旨の遺言書を書かせるケースがあります。
しかし、もし奥さんが先に亡くなると、夫の遺言内容が履行できなくなります。
また、子供のいない夫婦では、夫婦両方が死亡した場合には財産はどうするのか決めておく必要があります。
ですから、「私が先に死亡したら妻(または夫)に全て相続させます。」とか、「妻(また夫)が先に死亡していた場合は姪のXXXXXに全て遺贈します。」などの夫婦相互に遺言書を作成すれば良いでしょう。
ただし、夫婦二人で共同の遺言(一つの用紙に二人分を書く)を作成することは無効になりますから、必ず夫婦それぞれ遺言書を作成する必要があります。
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遺言書作成時には無かった財産が、その後増える場合があります。
例えば、自営業が事業が順調に進み、不動産や動産を購入した場合です。
このようなケースでは、いちいち遺言書を書きなおすのがめんどくさい場合は、下記の一文を遺言書に入れておけば良いでしょう。
「本遺言に記載のない、その他財産の一切を誰々に相続させる。」
これにより、相続人は新たに遺産分割協議をする必要がありません。
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遺言者が、遺言をするに至った理由・動機・心情等を遺言書に書いても法的根拠はありません。
しかし、これらは「付言事項」といって、相続に関係する人を納得させる為に大きな意味があります。
ある一定の相続人や相続人以外の人物に遺贈させる場合は「付言事項」を入れることで、なぜそのような配分にしたか、良い・悪いは別として一定の理解は得ることができますので、そのような配分を考えている場合は「付言事項」を敢えて入れた方が良いでしょう。
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財産を相続または遺贈される者が、突然の事故や病気などにより、遺言者より先に亡くなったり、同時に死亡した場合は相続・受贈できなくなります。
この場合、その相続人または受贈者はいなかっことになるので、他の相続人で分割されることになります。
そうならない為にも、もしその者が亡くなったことを考慮して、次に財産を相続または遺贈する人を決めておくことを「予備的遺言」といいます。
たとえば「遺言者の全財産を妻に相続させる。遺言者と同時もしくは遺言者より先に妻が死亡した場合には、遺言者の長男に相続させる。」というように、できるかぎり先のことを考慮することで、遺言書をより一層の安心・確実に履行することができます。
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遺言書を書いたら、遺言執行者を指定しましょう。
遺言執行者とは、遺言者の死亡後、遺言書に記載されている内容を実現する人のことです。
もし、遺言執行者がいなければ相続人で遺言の手続をしなければなりませんので、相続人間で問題が発生する場合があります。
しかし、遺言執行者がいれば、相続財産の目録を作成したり、相続財産の管理や不動産の登記手続きや預貯金の払い戻しなど、遺言の執行に必要な一切の行為をする権利と義務がありますから、全ての手続が一人で完了できます。
尚、遺言執行者は相続人か信頼できる行政書士など、第三者に依頼すれば良いでしょう。
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遺言書で遺言執行者を指定するメリットは、相続開始後相続に関する手続が単独で行う権限があるので、他の相続人が勝手に相続財産を処分したり、手続の妨害の阻止ができます。
たとえ相続人が遺言執行者に反して相続財産を勝手に処分すれば、その行為は無効になります。
また、相続人が複数人いると書類の収集や署名押印手続等、何かと煩雑になりがちですが、遺言執行者を指定していれば、執行者が相続人代表として手続を進められるので、大幅に時間の短縮ができます。
遺言執行者は、未成年と破産者を除いて相続人でも非相続人でもなれますが、余計な軋轢(あつれき)を生じさせない為にも、第三者に依頼した方が良いでしょう。
相続手続の専門家として、行政書士に遺言執行者として依頼するのも選択の一つです。
当事務所は数多くの相続手続を行っていますので、安心してご依頼頂けます。
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遺言執行者とは、遺言の内容を実現する人のことです。
遺言書を作成するときに、遺言執行者を決めておくことで遺言の内容を実現することができ、手続上大きな役割を果たすことができます。
たとえば、
遺言書で、「xxxにある土地を長男に相続させる。」と書いた場合でも、相続人全員の印鑑証明書が必要になります。
相続人同士の仲が良い場合では、各人の印鑑証明書を取得することはそれ程難しくありませんが、相続人のひとりが長男への相続に反対している場合は、なかなか協力してくれません。
そのようなケースでも、遺言書で遺言執行者を指定した場合は、遺言執行者の印鑑証明書で、長男の名義に変更することができます。
ですから揉めそうな相続は遺言書で遺言執行者を指定していれば、遺言執行者の手続で名義変更できます。
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遺言執行者に指定された人は相続が始まると、遺言執行者として、受け入れるか受け入れないかの返事をしなければいけません。
しかし、断る場合は、理由は必要ありません。
受け入れると、次のような仕事を行います。
① 遺言執行者に就任した旨を、相続人や受遺者(遺贈を受ける人)全員に通知 する。
② 遺産の調査をして財産目録を作成し、相続人全員に交付 する。
③ 遺言書に子の認知がある場合は、就任してから10日以内に役所へ届出 する。
④ 遺言書に相続人の廃除や廃除の取消しがある場合は、家庭裁判所で必要な手続きをする。
⑤ 遺言書の内容にもとづき不動産の名義変更、預貯金の解約・払戻し、その他財産の名義変更等の手続をする。
⑥ 全ての手続きが終了後、相続人や受遺者全員に業務終了の通知する。
遺言執行者の仕事で中心になるのは、不動産や預貯金などの名義変更等の手続になってきます。
遺言執行者は相続人でも第三者でもなることはできますが、デメリットとして役所や銀行の手続は平日に行わなければいけないことが多く、また手続も煩雑です。
さらに専門的な知識を必要とすることもあります。
人によってはかなりの精神的・肉体的な負担になることも考えられます。
また、遺言書の内容や相続人の状況によっては、遺言執行者が相続人に近い人だと、公平性を欠くことになり、トラブルのもとになる可能性もあります。
遺言執行による手間や相続人間の公平性を考えると、相続を専門に扱う行政書士などに依頼しておくこと方が安心できます。
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遺言の内容によっては、必ず遺言執行者が必要な場合と、遺言執行者が不要な場合があります。
必ず遺言執行者が必要な場合
① 相続人の廃除およびその取消し
② 認知
上記事項は遺言執行者が必要です。
遺言書で必ず遺言執行者の選任も遺言書に記載しておきましょう。
尚、遺言執行者を定めていない場合は、相続人が家庭裁判所に請求することで、遺言執行者を定めることができます。
遺言執行者がいてもいなくてもいい場合
① 遺贈
② 遺産分割方法の指定
③ 祭祀承継者の指定
これら3つは遺言執行者がいることで手続がスムーズになりますが、必ずしも必要ではありません。
遺言執行者が不要な場合
上記以外の全てです。
遺言執行者が不要というわけではなく、遺言の内容に基づいて執行すべきことがないということです。
たとえば、
遺産分割の方法の指定や遺留分減殺の方法の指定などです。
遺言執行者は誰でも構いません。(但し、未成年者や破産者は不可)
簡単なのは遺贈を受ける人(受遺者)ですが、私情が入るケースがあるので、第三者である、行政書士などに依頼するのも良いでしょう。
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遺言執行者を指定するには3つの方法があります。
1.遺言書で遺言執行者を指定する。
2.第三者に遺言執行者を決めてもらうように遺言する。
3.本人の死亡後、相続人などの利害関係者が家庭裁判所に申し立て、遺言執行者を決めてもらう。
遺言者は遺言書で勝手に遺言執行者を指定しても、引き受けるかはその人の自由ですから、引き受けてもらうには遺言書を書く前に承諾を受ける必要があります。
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遺言書に遺言執行者を指定する場合には、以下のように書けば良いでしょう。
この遺言の遺言執行者に下記の者を指定する。 住 所 大阪府堺市堺区住吉橋町1丁2番12号 特定行政書士 林 敬
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せっかく作成した遺言書でも、遺言者の死亡後に相続人や受遺者が遺言書の存在を知らなかったら何の意味もありません。
ですから、作成後は、遺言書の存在を信頼できる人(相続人、受遺者、遺言執行者など)に知らせておく必要があります。
遺言書を作成する際に推定相続人(または受遺者)に、作成後にそのまま預けておく場合もあります。
自分ひとりでこっそりと自筆遺言書を作成し、誰も見つけてくれない秘密の場所に隠しておいては、遺言書を書いた意味がありません。
一方、公正証書遺言は、平成元年以降、遺言を作成した年月日、公証役場等のデータをオンラインで検索できるようになりました。。
ただし、自筆証書遺言同様、公正証書遺言も作成したことを周囲に伝えていないと、死後「公正証書遺言を作成した事実」は、誰も分かりません。
自筆証書遺言であれ公正証書遺言をであれ、「遺言書」を作成した場合は、必ず関係者に伝えておく必要があります。
当事務所では、自筆証書遺言書や公正証書遺言作成のサポートをしていますので、安心してご相談・ご依頼して頂けます。
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